2017年3月23日木曜日

最近読んだコミックス①

『ヴァニタスの手記(カルテ)』 

著:望月 淳
ガンガンJOKER 連載中
現在2巻まで発売中 2017年4月22日3巻発売予定 17/3/19現在

時代背景:スチームパンク
題材:吸血鬼

主人公は天然系吸血鬼と破天荒系人間の2人。
前作のPandoraHearts同様ゴシック・ダーク・ファンタジー系。
一癖も二癖もありそうな登場人物ばかり。
吸血や戦闘で割と血が流れたりしてますが、
グロさはたぶんほとんどないかと。
本筋はシリアスですがコメディ要素もたたあり、
ちりばめられる伏線がどのように回収されていくのか楽しみな作品です。

以下、ネタバレ含む2巻までの大筋と感想になります。


絵の雰囲気がもともと好きなのもありますが、
コメディとシリアスでのそれぞれの見せ方が綺麗だと思います。
街並みなどの背景のある場面の描き込みもさることながら、
1巻1話目の見開きで描かれている飛行艇が特に見物です。
裏表紙にデザイン画がのってます。
アシスタントさんの冷静なツッコミと一緒にぜひ見ていただきたいところです。

▽1巻について
天然系の主人公・ノエが先生からの手紙を受け、
パリに「ヴァニタスの書」を探しに来たところから物語は始まります。
もう一人の主人公である自称「吸血鬼の医者」ヴァニタスとの出会いから、
「呪い持ち」との対決やそれを処理する処刑人(ブロー)の存在など、
世界観の説明。
「ヴァニタスの書」の正体を見極めるとは。
それぞれがうちに秘めた目的のため奔走を始める。
「呪い持ち」の吸血鬼が発症した際の描写が若干のグロい要素になってます。

▼感想
基本となる時代背景や主人公たちの目的のさわりなど、
ノエとヴァニタスの漫才じみた掛け合いの合間にテンポよく物語が進んでて読みやすかったです。
風景や動向について感動した際にノエの眼がきらきらしているのが可愛いいし、
お供の猫・ムハが全然懐いてなくて、抱き上げるたびに噛まれてるのが微笑ましいです。
ヴァニタスは、破天荒というか自己中というか、
前作PandoraHeartsのアリスと性格が似てる印象が個人的にあり、
悪ぶってるがどこか抜けてるところがあるせいで憎めないキャラクターです。
後半に処刑人(ブロー)?の少女ジャンヌに対しての、
だまし討ちや脅迫およびセクハラ行為がかなり最低なのですが、
ヴァニタスだから仕方ないなと納得できる内容でもあります。
全話とおして、ノエとヴァニタスの掛け合いが楽く、
特に、ノエからヴァニタスに対して、信用はしてるけど信頼はしてない的なのりの
「嫌な相手の言うことを素直に聞くのは~」の前後のくだりが一番面白かったです。

▽2巻
呪い持ちの原因を探るために、
ノエの血族「血を暴く牙(アルシヴィスト)」の能力が明らかになりました。
婚約者を自称する幼馴染ドミニクや新たな敵シャルラタンの登場。
ヴァニタスの目的とノエの過去の話。
ジャンヌの謎の吸血衝動や、
先生が中ボスかラスボス位置にきそうなほどの黒い要素を見せてくるなど、
新たな謎も増えました。
「吸血鬼を救う」とは。
「救い」に対してのノエの期待と、ヴァニタスの手段にズレがあり、
不穏な雰囲気のまま次巻へ。

▼感想
厨二心をくすぐる特殊能力のお披露目でしたが、残念ながら派手さは無しでした。
「血を暴く牙(アルシヴィスト)」、血を吸った相手の記憶を読み取る能力。
○○と書いて××と読むのはいつになっても字面だけでわくわくします。
記憶の中で判明する、呪いを広めている「シャルラタン」という存在。
後半に出てくる先生の見た目が「シャルラタン」と似てるきがするのは、
ミスリードを誘うなにかなのか。
ドミニク登場からのノエ達とのやり取りが面白かったです。
首輪つけられてもそのまま引っ張られてくノエとかツッコミどころが満載でした。
ノエとヴァニタスの掛け合いで、たびたびヴァニタスの表情が抜け落ちるというか
ノエを観察(分析)しているのかなという感じの描写が1巻にもありましたが、
2巻からわりと顕著に描かれてる感じがします。
ヴァニタスとジャンヌの今後の進展もやや気になるところですが、
やはり一番はノエの軸というかトラウマともいうべき過去話が印象的でした。
幼少期のドミニクとその兄のルイ達とのやりとりは微笑ましく、
その後に起きる惨劇を思うとなんとも言えない気持ちになります。
ルイがノエに残したプレゼントの数がとても痛いです。


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